食の器

2011|陶芸作品 陶土、釉薬

日本の食卓には和食はもちろんのこと、中華やイタリアン、インド料理など多国籍料理が並びます。そんな多国籍な料理にも合う、食べるための器があったらいいなと思い手掛けた器です。容量は蕎麦やラーメンなどの麺類から求めています。チャーハンもカレーも何でもこれでいいと思える、一人暮らしには優しい器。制作は陶芸家の中尾雅昭さんに依頼した陶芸作品。


食の器という切り口は大学の卒業制作「家具というもの」を思案している中で生まれた切り口でした。

本質とは何かを求める中で、言葉の分解を試みたのがきっかけです。家具は家の道具、照明は照らす明かり、というように、漢字の分解をすることでより分かりやすく対象を捉えたり、椅子は座るもの、机は置くもの、というように名称から連想する意味を考え、では座るもの、置くものとはどのようなものか、というようにモノから意味を意味からからモノを思案することで、名称からの発想以上に深度のあるモノが生まれると考えていました。

食の器とは食器を分解した言葉であり、食事のための器です。「の」を間に入れるだけで、何だか本質を捉えられるような気がしませんか。

デザイン・撮影 戸田光祐
制作 中尾雅昭