陶芸

2011~2012

大学卒業後は、インターンシップをさせて頂いていた建築設計事務所に行けたらという想いもありましたが、結果としては地元伊豆で活動をすることにしました。その際、作家への憧れから陶芸をしたいと思い立ち、中尾雅昭さんに電気釜での陶作を、佐藤喬さんに錦窯と穴窯による陶作を数カ月間にわたってご指導頂きました。穴窯に関しては穴窯制作から関わらせて頂き、制作費を頂きながら勉強させて頂けたことは本当に幸運だったと思います。

写真は窯出しの様子です。手前は私。右手奥は陶芸家の佐藤喬さん。左手奥は工業デザイナーの宿輪吉之典さん。お二方とは熱海起雲閣で行われた多賀網代文化展でお会いさせて頂きました。興味深く作品を拝見していたところ、宿輪さんのご自宅にて展示会の打ち上げにも参加させて頂けることとなり、その後、佐藤さんには工房にて陶作のご指導や穴窯制作に携わらせて頂くなど、多くの貴重な経験をさせて頂きました。このご縁に心より感謝いたします。(※この写真はどなたに撮影して頂いたのかは分からないのですが当時を知る貴重な資料として使用させて頂きました。)


工業デザイナーは、ひとりでは売るものを生産できないことから、自らの手で売れる作品を手掛ける作家に大きな魅力を感じていました。しかしデザイナーへの道も頭の片隅にはあり、昼間は陶芸を、夜は3DCAD・CGを駆使しながらデザイン案を考えデザインコンペへ出品する日々を続けていました。

作品がすぐ売れる訳ではありませんでしたのでアルバイトをしながら生活をしていましたが、膨大な時間を自由に使える、本当に充実した幸せな日々でした。今振り返っても、この時期は幼少期の図画工作に最も近い、純粋なものづくりを体現した大切なひとときだったと感じます。

制作 戸田光祐
協力 中尾雅昭
 佐藤喬