蘇生

2009|椅子 廃材
校内展示 HAND MADE CHAIRS 出展作品

椅子の展示会をしたいから出品してくれないか、という友人からのお誘いで制作した椅子。

実は当初、安易につくりたくないと考えていたことから、あまり乗り気ではありませんでした。しかしながら何かを伝える場を頂けたと考え直し思案することにしました。

当時気に掛っていたこととして、端材を活用できないかと思っていました。特に成型合板を個人で行った場合、型が端材となるため、大きな板が端材置き場に置かれていました。大学にはウッドワークスという木材加工室があり、その責任者だったことから、誰か一人でも意識が変わればと思い端材を用いて作品を手掛けることを決意しました。


これを用いたからエコです、といったものがあまり好きではありません。だからこそ、この椅子を手掛けるにあたっては、物としての魅力を持たせたいと強く意識しました。

題名の蘇生は、使える道具に蘇らせたことと、再び樹木のような表情を持たせたことに由来しています。一脚だけということもあり、造形は私の好みに仕上げました。気に入って購入した物を調べたら、たまたま環境に配慮していた。こんな流れが理想だと思います。

制作・撮影 戸田光祐
協力 高橋知也