思考の末に残したい一つとして感覚、中でも特に指先の「手触り」に着目した。
身の回りの工業製品の精度が向上しているためか、均一な面を生み出すことが容易となり、その影響で手に触れる多くがつるつるしている。人にやさしいと言えばそれまでだが、指先の感度、指先から得られる感触は、ものづくりを生業とする私にとってはとても大切な感覚であり、この大切な感受性を育めるような物を生み出したいと考えた。
具体的には横に並ぶパズルを制作した。例えば「ざらざら」の場合、ざらざら0%、25%、50%、75%、100%といった具合に突起の量が変わり、その質感によってパズルを合わせていく。種類としては「ざらざら」「ふわふわ」「ごつごつ」といったオノマトペを想定した。目ではなく、指先で感じるパズル。